澤円著『「やめる」とう選択』2021年7月20日、日経BP
この本で何を得たか、というと、「埋没(サンク)コスト」を排除しよう、ということです。
タイトルにある「やめる」を実行することができない最も大きな理由が、埋没コストを意識してしまうことです。
埋没コストとは、澤さん流に言えば、「せっかく〇〇したのだから」という言葉で表せる思考と行動になります。端的でわかりやすいですね。
せっかく〇〇したのだから、とは、誰でも半ば無意識的に思ってしまう考えです。そこで実際にやめられるかどうかが、この本で得た気づきから実行できるか、ということになります。
埋没コストを意識するうえで、澤さんは、「自分の人生が豊かになるかどうか」「好きかどうか」を最大の基準にして、すべてのことを判断することが大切だと仰っています。
継続するうえで重要なことは「好きかどうか」「ワクワクすることがどうか」とよく言われますが、その裏返しですね。好きなことは続けて、そうでないものはやめる。これを徹底していけばよいと思います。
澤さんは、もっと「自己中」に生きていいんじゃない?と提案されています。わたしは八方美人なところがあったので、自己中はいけないもの、という感じが大きかったです。しかし、澤さんのvoicyを聴くようになって、またこの本を読んで、自己中に生きよう、と意識するようになったところ、気持ちが大分楽になりました。自分が楽しいか楽しくないか、で判断することで、充実度と幸福度が変わってきます。後悔もしなくなります。
そして自己中で生きて個性が出る(タグがつく)ことで、周りの人からの目も変わってくるのではないかと思います。他人によく思われたいからと忖度しているよりも、個として突き出た方が、人間関係もよいお付き合いができるようになるのではないでしょうか。
澤さんはまた、やめることを実践するために、不得意なことは思いきって人に任せよう、とアドバイスされています。
わたしは仕事で、自分の書いた文章(長文)を英訳してもらうことがあるのですが、以前は、すべての文章をチェックしていました。しかし、翻訳者とかなり信頼関係ができたので、全文をチェックするのをやめて、不安な点や疑問点を分かるようにしてもらって、その部分をメインにチェックをするようにしました。
自分は一文一文をチェックするよりも、そういった疑問点に対して考えて応える方が好きだし得意なので、少ない時間でより高品質な翻訳文を仕上げられるようになったと思います。
今回の澤さんの本は、グレッグ・マキューン著のベストセラー「エッセンシャル思考」にも通ずるものです。澤さんのvoicyを聴いてある程度あたまにはあったものの、この本を読んで、確実に実践することができるようになりました。
せっかく〇〇したのだから、と考えずに、自己中で無理をせずにすきなことを基準に行動する。仕事もプライベートもこんな簡単なことで上向きになります。幸福度を上げるために肝となる行動指針です。