佐々木俊尚著『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』2022年2月10日、東洋経済
はじめに
最初に届いたとき、400ページ弱の分厚い本であり、読むのが大変そうだと思ったが、1ページ17行程度で、文字も大きいため、すらすらと読むことができた。チャプターも細かく区切ってあって読みやすい。重要な箇所はハイライトと太字となっており、頭に入ってくる。読み応えがあったが、読み始めると割とすぐに読了した。
本のタイトルに「読む力」とあるので、読書法の話かと思っていた。読書法の話もあるが、それにとどまらず、メディアや、SNS、仕事の進め方など、得られる気づきは多い。
知肉化の重要性
この本で一番いいたいことは、「世界観」から、自分のための「知肉」を育てる、ことだと感じた。「読む」⇒「知識や視点」⇒「概念」⇒「世界観」⇒「知肉」の流れである。
前半部分でこの説明があり、後半に、「罪と罰」を例に、具体例が示されており、非常に理解しやすかった。
漫画
「罪と罰」のような難解な本は、著者のようにたくさんの本を読んでる方でも、挫折があったとのこと。平易な翻訳文や、漫画、入門書でより深く読むことの大切さを説いている。
「鬼滅の刃」や「進撃の巨人」などの漫画にも触れていて、親近感が湧いた。
著者の具体例
本書では、著者が実践している具体例が惜しみなく紹介されている。有料コンテンツもあるため、全部は実践できないが、真似したいと思うものもいくつかあった。巻頭には、著者のスマホ画面までカラーで紹介されている。
スキマ時間の活用
わたしは読書をするのにさあ読書するぞ、と思わなければなかなか読書に取り掛かれない。そのため、一冊を読み終えるのに数日から数週間かかってしまうのだが、スキマ時間を活用することで、この問題は解決する。読書を開始するハードルを下げるようにしていきたいと思った。
SNS
わたしのSNSへの接し方は、受動的な情報収集であった。しかし、著者のいう専門家の群れを追跡し、ツイッターリストを作成するのは非常によいと思った。慣れるまでは作成に時間がかかるかもしれないが、作ってしまえば有益で正確な情報源になると思う。
ポモドーロテクニック
ポモドーロテクニックは知っていたが、著者はインターバルを25分にこだわる必要はないと言っている。確かに、集中できる時間はひとそれぞれ異なるし、負荷の大きさによって集中できる時間も異なる。重いタスクに合わせることで、効果は上がるだろう。
情報源
面白い本の情報をどこから得るか、情報源としての有料メディアの紹介もある。クオーツは、ニューズピックス経由で読んでいた時期があったが、確かに面白かった。小遣いが減ったのでなかなか有料メディアには手を出せないが、いいものがあったら試してみたい。
最後に
本書には著者が実践している方法が具体的に紹介されており、非常に参考になる。
一番の気づきは、読んだ結果を「知肉」にすること。読んで終わりではなく、「罪と罰」の具体例を参考に、「知肉」にするような読み方をしていけるようになりたい。